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母指CM関節症、治療について

母指CM関節症・・・・なんとなく聞いたことがあっても、どんな病気だろうと思う方が多いのではないでしょうか?

母指CM関節とは

そもそも母指CM関節ってどこにあるのか、皆様ご存じでしょうか?母指CM関節症は、大菱形骨と第一中手骨で構成されている関節で下の図で赤丸で囲んでいる箇所がCM関節になります。形を見ていただくと他の指の関節と違って、平坦ではなく馬の鞍に人が乗っている形となり、鞍関節と言われています。

この形になることによって、他の指と違い母指は色々な方向に動くことができて、私たちの生活にはかかすことができない関節になります。しかしですね・・・・・この鞍関節はよく動くことができる反面、とても不安定な関節です。それを補うように、関節の周りを靭帯が覆うことによって、関節をしっかり保護をしていきます。

母指CM関節症とは、使いすぎや外傷、加齢と共に靭帯に何らかの問題(緩みや断裂)が生じて、関節の安定が保てなくなることで、少しずつ変形をしていき摘まむ動作や瓶の蓋を開ける動作で痛みが出てきて、動作ができなくなってしまいます。中には腱鞘炎も一緒に発症して、仕事・生活に大きな支障がでる方もいます。

 

どうやって治療するの?

この母指CM関節症は、保存療法、手術療法、運動療法が主流となります。第一選択としては、保存療法が採用されることが多いです。今は某通販サイトやドラッグストアでも市販されているぐらい、一般的にも手を固定する道具が出ています。

ただ、このブログを読んでいる方は、きっと色んな病院に行き、自分で調べて道具を購入し装着したりして、様子を見たけど痛みが引かない方が多いのではないでしょうか?それには様々な要因があり、1つだけが原因とは言えません。私の個人的な意見を言わせていただくと鞍関節の固定がしっかりできていないのではないかと思います。今皆様が見かける、もしくは装着している道具は親指の付け根までのもの、指先近くまで覆っているけど、柔らかい素材で覆っているのではないでしょうか?もちろんそれらが悪いのではありません、あくまでも大切なのは重症度に応じてちゃんと道具が選ばれているのかということになります。関節の変形や炎症が軽度であれば、親指の付け根までのものでも十分できますが、変形が重度であり動作時に常に痛みが伴う炎症が起きている場合は、硬い素材でしっかり固定する必要があります。

硬い素材は、ある程度の使いにくさは出てきます、それでもしっかり痛みが取れたり、その方の使用状況によって形を調整するなど生活に使いやすくすることも可能です。

ではなぜこのような素材があるのにも関わらず、一般的に普及しないのか?そこには3つの要因があると考えております。まず1つ目に、加齢に伴うものと判断され湿布で対応したり、あまり手を使わないようにと言われることが多く、スプリント(ギプスや道具)を作製する機会がない。2つ目に、慣れるまでは扱いが難しく、作製できるスタッフがいない。3つ目に、この素材や道具の存在を知らないことだと思います。当院では、作業療法士が1人1人の手に合わせ、丁寧に作製をしていきます。昨年の1月から12月までに250個の作製実績があり、毎年同じぐらいの数を作製しております。下図のように赤丸で囲んでいる母指CM関節をスプリントでしっかり保護していきます。

 

親指の付け根が痛い方は、当院へお越しください

 当院には、患者さんに寄り添い、声をちゃんと聞いてくれる星野医師がいます。手の治療経験も豊富であり、母指CM関節症の患者さんが当院に来たときは、星野医師に会えて良かったと嬉しいお言葉を頂くことも多いです。もちろん作業療法士もしっかり患者さんと向きあい、しっかりスプリントを作製していきます。痛みでつらい思いをしている方は、是非当院に来て治療しに来ていただければと思います。

 

文責:村上