ほしの整形外科クリニック

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腕神経叢損傷、治療方法について

熱くなってきた、今日この頃、ニュースでも熱中症についての報道が多くなり、皆様も十分にお気をつけください。

今回のテーマは【腕神経叢損傷】についてです。

腕神経叢損傷とは?

首には7つの骨、脊髄神経、8つの神経(神経根)があります。よく耳にする脊髄損傷は、脊髄神経が傷を負い、場所によっては上肢・下肢の運動障害が起きます。今回の腕神経叢損傷は、脊髄神経ではなく神経根が引き抜かれる、神経根がちぎれることです。神経根の個所によっては、手の機能は残存する可能性もありますが、全損型は上肢機能が機能しなくなるなど、著しく日常生活に不便を強います。

 

なぜ起こるのか?

多くはバイクなどで転倒することによって、首を強制的に強く捻られ、神経根が引き抜かれるかちぎれることがあります。転倒でもなり得ることがあるため、的確な診断が求められる疾患だと思います。

 

治療法について

治療方法をお話しする前に、神経損傷の分類を説明します。①ニューロプラキシア(神経の一時的な麻痺)、②アクソノトメーシス(軸索断裂)、③ニューロトメーシス(神経断裂)があります。

①は、保存療法をすることが多いです。②は、保存療法の成績が悪ければ手術する可能性もあります。③は、手術が必要になる事が多いです。

①のニューロプラキシアであれば、経過観察中に肩、肘、手、指関節の動きを悪くしないように動かしたりすることで、神経が回復すれば受傷前と同じように動かせることもあります。②・③に関しては、手術する事になれば術後のリハビリを行うこともあります。

手術になったらどうするのか?

当院に来院していただき、手術適応と判断された場合は、山口県にあるJA山口厚生連小郡第一総合病院整形外科の服部先生に、ご紹介をさせていただきます。服部先生は、ハンドセラピィを目指しているリハビリスタッフであれば、知らない人がいないのではないかと思うぐらい、ご高名の先生です。当院の星野とは、知己の仲であり連携もよりとれると思います。

当院院長星野が座長をさせていただき、服部先生をお招きしました

6月22日に開催された「じっと手を見る会」で、当院院長の星野が座長を務めさせていただき、特別講演で服部先生が講演してくれました。大分の医師が多く来られており、活気が凄くあると感じました。医師同士の意見交換を直接聞く事もでき、私自身もすごく刺激をもらいました。またコメディカルスタッフである私の質問に対しても、服部先生は真摯に対応をしてくれまして、予後予測や今後の方針の助言等もいただき本当にありがたかったです。写真撮影にも快く承諾していただき、神対応をしてくれました。

当院では、手で困っている患者さんが多く来院されます。その中でも腕神経叢損傷は、手術適応になっても県外で対応することも多く、そのような中で服部先生のような方と連携がとれる、星野医師の存在は、大分県にとって救いの1つになるのではないかと私自身思っております。今後とも、患者さんが「生活」がしやすくなる援助をしていきたいです。手でお困りの方は、是非当院に起こしください。

文責:村上