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生活行為向上マネジメント(MTDLP)指導者認定について

9月に入って少しは涼しくなるかと思いましたが、日中は未だ暑い日が続いていますね。

数日前のニュースでも熱中症で運ばれた方が多いと聞いたので、皆様気を付けてお過ごしください。

 

今回のテーマ―は「生活行為向上マネジメント(MTDLP)」についてご報告させていただきます。

 おそらく多くの方が聞いたことがない言葉だと思います。MTDLPの説明をさせて頂く前に、作業療法士・理学療法士の事に触れていきます。

病院に入院している方、通院をしている方は、【リハビリ】という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?実際にリハビリを受けている方もいらっしゃるかもしれませんし、この記事を読んでいる方がリハビリ関係の方かもしれません。ただこのリハビリに携わる職種としてよく名前を聞くのが、作業療法士(OT)、理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)と呼ばれる職種です(他にも色んな職種が関わっています)。

ただ作業療法士、理学療法士、言語聴覚士と呼ばれた場合に、あまり聞き馴染みがないかもしれません(そうでないことを願っていますが・・・)。過去にリハビリを受けたことがある方でも、担当してくれたスタッフが、どの職種なのか分からないという方もおられるかもしれません。それほどまでに区別がつきにくいと言われています(これを見た方が、PT・OT・STさんだった場合は・・・「それは違う」と思うかもしれませんが、患者さんの視点で見て頂ければ幸いです)。

私は、作業療法士となり10年以上の月日が流れました。上記で書いた事は、自分自身が悩んでいたことでもありました。自分自身も作業療法士とは何か、自問するぐらいでしたから、周りからすれば、より分からないだろうなと思い過ごしていた時期もあります。ここで日本作業療法士協会が【作業療法士の30㎝の物差し】として開発したツールが【MTDLP】でした。

MTDLPを使えばどんな事がいいのか?

 ようやく本題のMTDLPの話題に入ることができます。MTDLPとは、一般情報シート、アセスメントシート、課題分析シート、プランシート、社会情報資源シートなどがあり、それらを使用し、対象者の方と現状を踏まえ、達成できる目標を立案し、合意した上で治療に取り組んでいくことにあると思います(多職種で協同して治療していきます)。

読んだ方は「それは当たり前にやることじゃない」と思ったかもしれません。その通りです・・・MTDLPは「当たり前」のことを「当たり前」に行うことが大切になります。ただこの当たり前が、思っているよりできていないかもしれません。

そこにリハビリスタッフの目標、患者さんの目標が一致していなければ同じ方向を向くことは難しく、少しずつズレが生じてくるかもしれません。ただMTDLPを使用したことで、そのズレは少なくなってきたように、私自身感じています。そのように取り組んでいく中で、作業療法士としてやりたい事が見つかり、今は手外科分野のハンドセラピィに、より力を入れていきたいと思いました。

MTDLPは、作業療法士育成校で教育課程の一つに組み込まれているほど、作業療法士と密接な関係にあります。作業療法士の数は、2022年の人数では、104286人います。MTDLP指導者は、その中で215人の認定者がいます。私村上は、大分では第一号認定で、指導者の資格を得る事ができました(2024年9月時点)。MTDLPを使用する前後で、患者さんへの対応や問診の行い方、治療の仕方が変化していることが実感できています。

これからも自己研鑽を怠らず、ほしの整形外科クリニックに来て良かったと思われるように努力してまいります。

 

文責:村上