ほしの整形外科クリニック

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手の痺れを諦めないで欲しい、手根管症候群に対しての取り組み

12月に入り、大分冷えてきました。昼も寒い日が続き、1日を通して冬を感じるようになってきました。

どうかこの記事を読んでいる皆様も、体調を崩されないようにしてください。

今回の内容は、前回も紹介した手根管症候群についてです。ただ今回手根管症候群でも、痺れ以外の症状が出ていないパターンについてお話をしていきます。

 

手根管症候群になるとどうなる?

手根管症候群になると、手の痺れ、痛み、筋肉の萎縮、摘まみ動作が行いにくいなど多様な症状が出現します。当院のHPでも【手根管症候群の専用ページ】を用意しておりますので、興味がある方は一度見て頂ければと思います。症状が進行すると筋肉が萎縮し、指が摘まみにくい状態にもなり、初期対応が大切になります。初期対応であれば、保存療法や作業療法で対応できることもあり、早期発見が大切です。

ただ、これは手根管症候群に限ったことではなく、多くの病気に当てはまります。今回、紹介させて頂くのは、症状が手の痺れのみで摘まむ力、握力の低下がなく筋力低下を生じなかった患者さんです。

 

手術前検査の内容

まず当院では、手術前に作業療法にによる術前評価があります。このときに行う検査の中で精密知覚検査を行い、フィラメント(弾力のある糸)で患者さんの両手の掌、手の甲の知覚を調べます。こうすることで、患者さんからの話だけでなく、細かい知覚領域の判別に役に立ちます。下の両手の図(図1,2)を見ていただくと、緑・青・紫・赤に色分けをしており、その色によって知覚の重症度を調べています。図2の色分けでは、正中神経の知覚領域に知覚障害があり、患者さんの理解にも役立てることができます

左手(図1)

右手(図2)

 

赤色の領域まで知覚が低下していましたが、ここでは筋力低下は生じていませんでした。なので図3のように摘み動作が出来ています。症状がすすむと筋肉が萎縮して図4のような摘み方になります。

図3

図4

両手とも当院で手術を行った患者さんですが、手根管症候群だからといって必ず検査所見で引っ掛かるわけではないと、改めて感じさせられました。

エコー所見では、図5のように青の矢印で示しているように、正中神経が圧迫されていることが観察できます。ほかにもレントゲン撮影を行い、頸椎からくるものかを判断し、腱反射も行いより詳細に調べていきます。

図5(両手とも同一の方です)

 

手の痺れの原因を探すのは大変だと思いました

インターネットを利用すると手の痺れは色々な病気が出てきます。その中で主となる病気を判断する医師の仕事はとても大変だと思いました、当院では、手根管症候群に対する機能評価は作業療法士が担い、役割分担もできております。神経の伝達速度を調べる機械もあり、より詳細に状態を調べることができます。手の症状でお困りの方は、是非と当院へお越しください。

 

文責:村上