ほしの整形外科クリニック

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術後手根管症候群について当院の取り組み

手根管症候群の詳細は内容は、当院HPの「手根管症候群」に記載していますので、詳細はそちらの方でご確認をお願いいたします。

 

手根管症候群になるとどうなるの?

手根管とは、手根管とは掌にある骨と靭帯で囲まれたトンネルに、指を動かす腱と正中神経が通っています。この正中神経がなんらかの要因で圧迫を受けると、下図で囲んでいる赤丸の筋肉が萎縮したり親指~薬指まで痺れる事があります。

日常生活におていは、摘みにくさや、夜間に手の痛みで目が覚めてしまうなど、睡眠不足の原因にもなります。

※患者さんのご厚意にて画像を提示をしていますので無断転載はおやめください。

 

 

 

当院の手術実績

当院の昨年の手術実績は、210件あり、その内の約半数の119件(内1件は、直視下手根管開放術)は手根管症候群の手術です。当院の手術の特徴は、内視鏡手根管開放術で手の負担がかかりにくく、手術当日で帰宅することができます。

手術後も定期的に筋力や感覚などの評価も医師の指示で行っており、手術をやっただけで終わることがなく、アフターフォローもしっかりしています。術後はたくさんの患者さんから「手の痺れがよくなった」「手の痛みがとれた」「摘みやすくなった」とのお褒めの言葉を頂くことも多いです。

 

術後の合併症

お褒めの言葉もいただく一方で、手根管症候群の術後に、力をこめて握ったり、物を触ろうとすると術創とは違う箇所に痛みが出現し、手が使えないとの意見もいただきました。これは当院だけでなく、手根管の手術を行った患者さんにおきえる、術後合併症のpillar pain(ピラー ペイン)と呼ばれる症状です。

pillar painが生じることで手の不使用を招いたり、職種によっては手の痛みの影響で復帰に時間がかかるケースもありました。

今まで多くの医師が、手術方法を検討したり、原因を究明しようとしていましたが、未だ病態は分かっていない状態です。色々な報告を集めると、神経の問題より、靭帯を手術で切ったことによる関節の不安定性が生じ、痛みがでているのではないかと言われています。

 

当院独自の取り組み、スプリントを作製

当院では独自に、術後10日目以降に特殊な素材を用いて、それぞれの手に合わせたスプリント(手を保護する装具)をすることで、pillar painの発症を抑制できています。スプリントの詳細も、当院HP「手根管症候群」に動画で載っていますのでご確認して頂ければと思います。

 

患者さんの声に耳を傾け、取り組んでいきました

このように当院では、患者さんの声に耳を傾け、困っていることに取り組みをさせていただき、常に新しいことに挑戦をしています。今回のようなスプリントを使用した方法は、当院だけでなく他院の医師、リハビリスタッフにも共有させてもらうため、第35回目日本ハンドセラピィ学会にて報告させてもらいました。

他院のスタッフから、作製方法や素材の確認などの質問もあり、取り入れていきたいとの意見もいただきました。今後も患者さんのご意見に耳を傾け、よりよいものを提供していけれるように誠心誠意努力していきます。

文責:村上