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運動の目安、健康寿命を延ばすために

暑い日が続き、外出するのもおっくうになってしまいますよね。そんな時家の中でエアコンが効いた部屋の中でごろごろしていませんか。私もそんな過ごし方をしてしまう一人です。そして、私も含めて耳が痛い話となってしまうのですが、皆さんは「座位行動」「身体活動」という言葉を聞いたことがありますか?

 

まず、座位行動、身体行動の説明の前にメッツ(METs)について触れておきたいと思います。メッツとは、動作の消費量を示したもので、安静座位を1メット(だいたい1時間に体重1㎏あたり1キロカロリー消費するくらい)として、動作が安静座位の何倍のエネルギー消費量があるかを示しています。歩行は3メッツとされていますので、じっと座っている状態の3倍のエネルギーを使っていることになります。中強度とは3~5.9メッツ、高強度とは6メッツ以上の強度のことです。

 

そして、座位行動とは、座位、半臥位、もしくは臥位の状態で行われるエネルギー消費量が1.5メッツ以下のすべての覚醒行動と定義されます。つまり、座っていたり寝ころんだ状態でスマートフォンを見たり電話をしたり、乗り物に座って乗っている状態など、エネルギー消費量が少ない活動のことを指します。

 

身体活動とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する骨格筋の収縮を伴うすべての活動のことを指します。その中で、普段の生活で行われる活動、例えば家事や仕事、通勤などに伴う活動のことを生活活動、健康や体力の維持・増進を目的として計画的に継続して実施されるスポーツやトレーニングなどを運動と呼びます。

 

研究によって身体活動・運動が多い人は、少ない人に比べて2型糖尿病やがん、ロコモティブシンドローム、うつ病、認知症等の発症・罹患リスクが低いことが報告されています。そして、座位時間が長い人は死亡リスクが増加することも示されています。運動は病気の予防という意味でもとても重要になります。

ちなみに、日本人成人の平日平均が7時間ほど座位姿勢をとっているといわれ、座位行動が1日4時間未満の人に比べて、8時間以上の人は約1.2倍、11時間以上の人は約1.4倍死亡リスクが高くなるようです。

 

 

ではどんな身体活動でもいいのかというとそういうわけでもありません。余暇活動で中強度以上の運動をすることが多い人は死亡リスクが下がりますが、余暇活動で動かず仕事活動で高強度以上の身体活動が行われる人は反対に死亡リスクが上がるとされています。「仕事でたくさん動くから大丈夫」という考えは身体に対してはあまりよくないのかもしれないですね。

 

運動に関しては、推奨される強度や時間があります(詳しくはWHOや厚労省のガイドラインなどをご参考に)が、それに届かなくても少しの運動でも何もしないよりかは良いとされていますし、週末にまとめて運動しても効果があるともいわれるので、「ちょっと速く歩く」や「ちょっと駐車場を遠くに止める」、「広いお店に買い物に行く」など少し意識してみるだけで違うと思います。これだけ暑いので熱中症には注意が必要ですが、少しだけ動くことを意識してみてはいかがでしょう。

 

文責:玉井