◆季節と体調の変化について
9月に入り雨の日が続いていますね。 気温は高くないものの、湿気や天候の影響で体調を崩される方が増えている印象です。そんな中、相談が増える「腱鞘炎」について今日はお話しします。
◆腱鞘炎とはどんな状態?
「腱鞘炎」という言葉は、手根管症候群やへバーデン結節を知らない方でも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
腱鞘とは、
- 骨と腱を固定する役割
- 力を効率よく伝える“滑車”のような構造 を持つトンネル状の靭帯組織です。
ここに炎症が起こると、指や手首の痛みにつながります。
◆ネットやAIで紹介されるストレッチについて
インターネットやAI検索では、手首を反らすストレッチがよく紹介されています。 もちろん当院でも使うことはありますが、炎症の強い時期に優先して行うものではありません。
理由はシンプルで、 炎症が強い状態で無理に動かすと悪化する可能性があるから です。
◆当院での腱鞘炎の評価とリハビリの流れ
当院で腱鞘炎のリハビリを行う際は、まず医師の診察が必要です。
必要に応じて
- 血液検査(炎症反応・リウマチの有無)
- レントゲン(関節の変形の確認) を行います。
作業療法士として特に助かるのが 血液検査の結果 です。 痛みが炎症由来なのかどうかをある程度判断できるだけで、リハビリの方向性が大きく変わります。
さらに当院では、 指一本ずつエコーで腱の動きを観察 し、
- 引っかかりがないか
- 動きがスムーズか を確認しながらリハビリ目標を設定します。
状態によっては、
- 安静指導
- アイシング を優先し、リハビリが可能な状態まで整えてから治療を進めます。
◆ストレッチは「適切なタイミング」で
「たかがストレッチ」と思われるかもしれませんが、炎症が強い時期に無理に行うと悪化することがあります。
だからこそ、 今の手の状態を正しく把握したうえで、適切なリハビリを行うことが大切 です。
それでもリハビリ後に痛みが強くなる患者さんもおられ、私たちもより慎重に対応しなければならないと感じています。
◆情報の時代だからこそ、医療の役割
今は情報を得るのがとても簡単な時代です。 私自身もAIの恩恵を大いに受けていますし、助けられています。
ただ、医療に関しては
- 論文
- 医療者の経験
- 医師の診断
- セラピストの技術 が不可欠です。
当院の作業療法士は学術集会への参加や講演活動を通じて、常にインプットとアウトプットを重ねています。
◆最後に
「手の治療はほしの整形でよかった」と思っていただけるよう、今後も精進してまいります。 手のお悩みがあれば、ぜひ当院にご相談ください。

※当院の作業療法士が講師をしている勉強会の写真です。